“あなたのオレンジタウンストーリー”

アルビレックス新潟サポーターズマガジン『LARANJA AZUL(ラランジャ・アズール)』誌上で募集した、アルビサポーターのリアルな「オレンジタウンストーリー」を掲載します!!サポーターの皆さん、投稿ありがとうございました!!

※投稿の一部は、発売中の単行本の巻末にも収録されています。尚、掲載にあたり投稿内容を一部編集・修正いたしました。

はいえん 30代男性

「本当にサッカー観るためだけにわざわざ新潟まで行くの?」自宅を出る僕に、妻は理解に苦しむ顔で言った。当然の反応だ。当時の僕はおよそサポーターとはいえない存在だった。「うん。今日行かないと後悔する気がするから。」僕は4万人のビッグスワンを知らない。かつて新潟が熱狂に包まれていたとき、既に新潟を離れていた僕は、その熱を感じることはなかった。2012年の奇跡の残留、2013年の大躍進、それ以降毎年のように主力が引き抜かれる苦しい戦い。アルビレックス新潟は故郷のチームだ。当然気にはなる。でもどれだけ気にはなっていても、アルビはあくまで「他人ごと」だった。このときまでは。2017年。アルビは序盤から降格圏に沈んだ。そして11月18日のホーム甲府戦。僕はついにいてもたってもいられなくなった。「他人ごと」だったはず。それなのに何かに突き動かされるように新幹線に乗り、ビッグスワンへ向かった。冷たい雨が降る中で懸命に戦う選手達。声を振り絞って応援するサポーター。勝利こそすれどついに訪れた降格の瞬間。それでもスタジアムにこだまするアルビレックスコール。それは長く苦しい戦いを続けてきた選手と自分達を称えているようだった。そのアルビレックスコールは試合が終わっても鳴り止むことがない。いったいなんなんだろう、この人達は。どうしてそんなに夢中になれるんだ。何がそこまでこの人達を駆り立てるんだ。当時の僕にはまるで理解ができなかった。それでもたった一度だけ、帰る間際に、僕も「アルービレックス!」と声を出して手を叩いた。それが、アルビが「自分ごと」に変わった瞬間だった。あのとき声を出さなかったら、ひとつひとつのゴールにこんなに歓喜することはなかっただろう。毎週末繰り広げられる筋書きのないドラマの面白さを知らないままだっただろう。今ではすっかり心の中にアルビがある。あの頃の自分に言ってあげたい。大丈夫。アルビサポ生活は想像以上に楽しいよ、と。